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ラージパッチの予防|梅雨の芝生の病気対策

更新: 編集部
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ラージパッチの予防|梅雨の芝生の病気対策

ラージパッチ(葉腐病)は、リゾクトニア菌が原因で高麗芝や姫高麗芝、野芝に大きな被害を出す芝生の病害です。直径30cmから数mの円形〜リング状の病斑が広がり、降雨後に外周部が鮮やかな赤褐色を帯びるため、まず「うちの枯れはこれか」を見極めるところから始まります。

ラージパッチ(葉腐病)は、リゾクトニア菌が原因で高麗芝や姫高麗芝、野芝に大きな被害を出す芝生の病害です。
直径30cmから数mの円形〜リング状の病斑が広がり、降雨後に外周部が鮮やかな赤褐色を帯びるため、まず「うちの枯れはこれか」を見極めるところから始まります。
発病の山は3月上旬〜5月中旬と9月中旬〜11月中旬にあり、20℃前後で病勢が強まり、夜温10〜15℃に長雨と高湿度が重なると一気に動きます。
前年の春に高麗芝の一角が円形に枯れ込み、梅雨を境にパッチがつながって広がった経験があると、出てから慌てるより梅雨前に動くべきだと実感するでしょう。
予防の主軸は薬剤より先に、排水不良・窒素過多・サッチ堆積という発病要因をつぶすことです。
芝体内窒素が2%を超える状態は助長要因になるので、エアレーション、サッチ除去、施肥の見直しを梅雨前に済ませておきましょう。
殺菌剤は初発前から初発時の予防散布が最も効き、出なくても3〜4週間後に再散布すると組みやすくなります。
発病後は2週間ごとに散布し、作用の異なる2種以上をローテーションしながら展着剤も併用して、読者自身で散布計画を立てられるところまで案内します。

ラージパッチ(葉腐病)とは|まず確認したい症状

ラージパッチ(葉腐病)は、土壌中に潜むリゾクトニア菌(Rhizoctonia solani)が芝の株元を侵して起こる病害で、見た目の変化から菌の動きを疑うのが出発点になります。
乾燥で細く茶色くなる枯れ方とは違い、円形からリング状へ広がるため、最初に形を見れば見当がつきます。
梅雨入り直後に芝の一角へ直径50cmほどの薄茶色の輪が出て、雨上がりに縁だけがオレンジがかった褐色になっていたときは、まさにこの病気を疑う場面でした。
水切れだと思って水やりを増やした失敗もありますが、湿気を足すほど広がりやすいのが厄介です。

リング状に広がる病斑の見分け方

ラージパッチの病斑は直径30cm〜数mまで広がり、隣り合うパッチがつながると、大きな輪やドーナツ状に見えます。
点で抜ける害虫被害や、帯状に弱る軸刈り・乾燥障害とは輪郭が違うので、まずは「丸く広がっているか」を見るだけでも判断の精度が上がります。
とくに雨のあとに外周だけが赤褐色になり、中心がやや持ち直しているようなら、見分けの手がかりはそろっています。
形、縁の色、発生のタイミング。
この3点をそろえて見ると迷いにくいでしょう。

原因はリゾクトニア菌(葉腐病)

原因はリゾクトニア菌(Rhizoctonia solani)で、ラージパッチは葉腐病とも呼ばれます。
土壌の中で静かに潜み、夜間10〜15℃の高湿度や降雨が続く条件で株元に入り込み、芝の組織を腐らせるのが特徴です。
だからこそ、乾かす方向の管理が効くわけです。
湿度を下げ、通気をよくし、菌が居座りにくい環境へ寄せていく発想に切り替えると、対策の筋道が見えます。

高麗芝・野芝など暖地型芝で出やすい理由

被害が最も大きいのは高麗芝・姫高麗芝・野芝などの暖地型の日本芝です。
これらは梅雨や秋雨の時期に生育条件が重なりやすく、春の3月上旬〜5月中旬、秋の9月中旬〜11月中旬に発病しやすい二山と重なると、庭全体で一気に目立ちます。
梅雨明け前後に症状が出やすいのは、気温と湿気がそろって菌の活動が進むからです。
芝の種類を知っているだけで、どの季節に警戒すべきかがはっきりします。
暖地型の芝を育てているなら、梅雨前から意識しておくのがおすすめです。

ℹ️ Note

ブラウンパッチなどの病気や生理障害も似た見た目になりますが、円形〜リング状の広がり、外周の赤褐色、雨のあとに強く出る点をそろえて見ると切り分けやすくなります。確証が持てない段階では、病斑を広げる動きを避けて考えるのが安全です。

なぜ梅雨に出る?発生しやすい温度・時期・環境

ラージパッチは、気温だけでなく葉がどれだけ長く濡れ続けるかで勢いが決まります。
発病適温は20〜25℃で、病勢は20℃前後が最も激しく、菌自体は8〜30℃で動けるため、梅雨の前後に20℃前後の雨模様が続くと一気に危険度が上がるのです。
夜間10〜15℃の冷え込みと高湿度が重なると、昼に乾いて見えても朝露や長雨で葉面が濡れ続け、発病の引き金になります。
気温と濡れている時間を同時に見ることが、予防のタイミングを外さない近道でしょう。

発病適温20〜25℃と長雨という引き金

20〜25℃は、菌にとって動きやすく、芝にとっても油断が出やすい温度帯です。
特に20℃付近では病勢が最も激しくなるので、見た目の生育が落ち着いている時期でも病害は静かに進みます。
気温が上がりきらないのに雨だけが続く年は、散水を足さなくても葉が濡れたままになり、感染の場が長く保たれるため、ラージパッチが広がりやすくなるのです。
連日小雨で20℃前後という予報を見たら「この条件は危ない」と判断し、雨の合間に予防散布を済ませて被害を抑えた年がありました。
あの判断は正しかったといえます。

春(3〜5月)と秋(9〜11月)の二山構造

発生の山は春の3月上旬〜5月中旬と、秋の9月中旬〜11月中旬に分かれます。
春は新芽が伸びる勢いと長雨が重なり、秋は気温が下がり始めるのに湿度が高い日が続くため、どちらも菌にとって都合がいい。
梅雨は春の山と重なるので、もともと高い発病圧がさらに押し上げられます。
二山構造を知っておくと、年2回の予防時期がはっきり見えます。
春先と秋口を外さずに備えるだけで、発病の波をかなり抑えやすくなるでしょう。

排水不良・多窒素が発病を後押しする

土壌環境も見逃せません。
排水不良の場所では水と菌が滞留しやすく、粘土質の庭や踏圧で固まった場所、水たまりができる低い所ほど病斑が出やすくなります。
さらに、窒素を多施用した土壌では芝が軟弱徒長し、組織がやわらかいままになるため菌に侵されやすい。
前年の春に追肥を多めに入れた区画だけラージパッチが集中したことがあり、窒素過多が発病を後押しする感覚がはっきり残りました。
土が詰まり、肥料が効きすぎた場所ほど危ないと考えておくと管理の優先順位が決まります。

梅雨前にやる予防(1)排水と通気の改善

梅雨前の土づくりでは、芝生の病気を薬剤で抑える前に、そもそも菌が居つきにくい環境へ変えることが効きます。
土が締まって水が抜けず、葉先まで湿気が残る状態をほどくと、根に酸素が届きやすくなり、発病の土台そのものが弱まります。
晴れた週末に仕上げておくと、その後の長雨でも差が出るでしょう。

エアレーションで通気性と排水性を上げる

エアレーションは、穴をあけて土壌の通気性と排水性を同時に立て直す作業です。
ローンスパイクやローンパンチで表土を割ると、固まった地面に空気の通り道ができ、根への酸素供給が促されます。
水がしみ込みやすくなるだけでも、株元がぬれたままになる時間が短くなり、菌が増えにくい環境に近づくのです。
梅雨入り前の晴れた週末にローンパンチで庭全面に穴をあけ、水はけが目に見えて改善した年は、パッチが出ませんでした。
あの変化は派手ではないのに効く、実感のある手当てでした。

穴あけの直後は、表面をならして土を締め直さないことも効きます。
踏み固めれば元に戻ってしまうので、作業後は重い物を置かず、散水も必要最小限にとどめるのが筋でしょう。
ポイントは、土を掘ることよりも、空気と水の通り道を残すことです。

風通しを妨げる要因を取り除く

高湿度で風通しの悪い場所ほど発生しやすいので、芝周りの障害物を減らして葉の乾きやすさを上げます。
物置の脇、植木鉢の密集、落ち葉のたまり場は、見た目以上に空気を止めます。
芝刈りの高さも見直して、密集を少し緩めると、朝露や雨のあとに葉が乾く速度が変わるはずです。
葉が濡れている時間を短くできれば、菌が動ける時間そのものを削れます。

水たまりが残る一角だけ、毎年ラージパッチが出ていた場所があります。
そこで目土を入れて勾配を整え、水が逃げる向きへ流れを作ったところ、再発が止まりました。
低い場所を放置すると、表面排水も土中排水も止まりやすい。
だから整地は見た目のためではなく、湿気をためないための作業になるのです。

目土・目砂はpHに注意して選ぶ

目土や目砂は、ただ埋めればよいわけではありません。
pHの高い資材を入れると表層がアルカリ寄りに傾きやすく、抑制に有利な酸性寄りの状態から離れてしまいます。
目安としてpH5以下を意識し、アルカリ性の砂を多用しないことが肝心です。
素材選びを誤ると、水はけを直しても土の側で不利な条件を足してしまうので、ここは見落としにくいところでしょう。

これらの作業は、薬剤を使わない文化的防除としてまとめて進めるのが向いています。
穴あけ、障害物の整理、整地はどれも芝に小さな負担をかけるため、感染期に入ってからでは遅い場面が出ます。
梅雨に入る前の晴れ間に片づけておけば、雨が続いても土の中で水と菌が滞留しにくくなります。
仕込みの差が、そのまま梅雨の差になるのです。

梅雨前にやる予防(2)サッチ除去と窒素のコントロール

梅雨前の芝は、サッチと窒素の扱いで発病しやすさがはっきり変わります。
地際にたまった枯れ葉や茎を減らして風と水の通り道を作り、窒素を出しすぎないだけでも、湿り気と軟弱な伸び方を抑えやすくなるからです。
作業の順番も肝心で、感染期に入る前に整え、入り始めたら芝を傷つけない切り替えが要になります。

サッチングで枯草層を取り除く

サッチは、枯れた葉や茎が地際に堆積した層です。
これが厚くなると通気と透水が鈍り、表面に水分が残りやすくなるため、湿気を好む菌にとっては居心地のよい環境になります。
梅雨前にレーキで掻き出すだけでも地際の蒸れが減り、雨が続いた年でも病斑が小さく済んだ経験がある。
芝面が早く乾く状態に寄せることが、発病を抑える近道だと実感しやすい場面です。

窒素肥料を与えすぎない管理

芝体内の窒素含量が2%を超えると発生が助長されるとされるため、春の施肥は「増やす」より「偏らせない」発想が合っています。
早く緑にしたくて春に窒素を多めに与えた年だけ徒長し、葉ばかり柔らかく伸びて病気が出やすくなった。
翌年から窒素を控えめにし、リン・カリも含めて株を丈夫にする設計へ切り替えると、生育のまとまりが出て管理しやすくなった。
窒素単体で押すより、軟弱徒長を避けて株全体を整えるほうが予防に向きます。

感染期に芝を傷つけない作業タイミング

サッチング、刈り込み、張り替え、コアリングのように芝を傷つける作業は、感染時期の直前や感染期には控えるのが鉄則です。
傷口は菌の侵入口になるので、同じ作業でも早く終えるか、時期を外すかで結果が変わります。
梅雨前の段取りは、先にサッチ除去とエアレーションを終えておき、感染期に入ったら芝を傷つけない流れに組むとよいでしょう。
やるべき作業と待つべき時期を分けるだけで、予防効果と作業リスクの釣り合いが取りやすくなる。

殺菌剤による予防散布|時期・間隔・ローテーション

芝の病気は、発病適温の20〜25℃が重なり、夜間10〜15℃の湿った空気が続く春の3月上旬〜5月中旬と秋の9月中旬〜11月中旬に一気に動きやすくなります。
排水不良の土壌や窒素を多施用した土壌では株が弱りやすく、同じ条件がそろうと病勢は20℃付近で最も激しくなる。
だからこそ、症状が見えてから追いかけるより、気象を見て先に動く発想が効いてきます。

初発前の予防散布がカギ

殺菌剤は、病斑が広がってからよりも、初発前から初発時に打つほうが効きやすいです。
芝が青み始め、長雨の前触れが見えた段階で一度散布しておくと、菌が根付き切る前に増殖を抑えられるからです。
芝生管理では、この「先手」が治療よりも結果を安定させます。
実際、青み始めた頃に予防散布を入れ、3〜4週間後にもう一度重ねた年は、長雨でもパッチを出さずに乗り切れました。

散布後に目に見える症状が出なくても、そこで安心し切らないほうがいいでしょう。
薬剤の効きは永遠ではなく、3〜4週間あけると守りが薄くなるので、長雨が続く時期ほど間隔を空けすぎない組み立てが必要です。
すでに発病している局面では、2週間ごとに散布して進行を抑える考え方になる。
予防と治療で間隔が変わる、この差を分けて覚えておくと散布計画が立てやすいです。

2種以上をローテーションして耐性を防ぐ

同じ殺菌剤を使い続けると、効きが落ちたように見える場面があります。
翌年から作用の異なる2剤を交互に使うように切り替えたところ、体感としての鈍りが戻り、管理の手応えも安定しました。
耐性菌を育てにくくするには、「同じものを連用しない」が合言葉になります。
ローテーションは面倒ではなく、薬を長持ちさせるための基本です。

家庭の芝生でも、作用性の違う2種類以上を回す考え方が軸になります。
ラベルの適用作物、希釈倍率、使用回数を守り、登録のある製品だけを使う。
ここを外すと安全性も効果も崩れるため、用法用量を守る姿勢が前提だと考えてください。
おすすめです。

展着剤の混用と散布のコツ

散布時は展着剤を必ず混用し、薬液を芝葉や株元に定着させます。
水をはじく葉先や、土へ流れやすい株元では、薬液がそのまま落ちるだけでは効きが弱いからです。
展着剤は手間を増やすためのものではなく、薬剤を狙った場所に残すための工程である。
ここを省くと、散布量だけ増えて結果が伴いません。

散布は、風の弱い時間帯にムラなく行い、葉の表面だけでなく株元にも軽く届くように意識するとよいでしょう。
長雨の前に先回りし、必要な間隔で重ね、同じ薬を続けない。
この3点がそろうと、発病条件が重なっても崩れにくくなります。
おすすめです。
芝の状態を見ながら、淡々と積み上げていきましょう。

発病してしまったら|被害の止め方と回復

発病した芝は、まず殺菌剤で菌の勢いを止めるのが先です。
2週間ごとの散布を軸にし、長雨が続く間は間隔を空けずに病斑の広がりが落ち着くまで続けます。
焦って触るより、進行を抑えるほうが被害は小さくなります。

発病後の殺菌剤散布と止め方

発病に気づいた時点で迷わず散布に入ると、被害の広がり方が変わります。
2週間ごとに殺菌剤を当て、雨が続いて地表が乾きにくい時期は次の散布を遅らせないことが肝心です。
病斑が出た直後は見た目の変化が速く、数日で輪郭がにじむこともあるため、早い段階で進行を止める発想が効きます。
実際、発病後に間隔を守って散布を続けた株は、梅雨明けとともに周囲から芝が伸び、斑点が目立たなくなっていきました。
止め方は単純で、広がりが収まるまで切らさず続けることです。

やってはいけないNG管理

病気の箇所はサッチングをしないでください。
掻き傷が入ると、すでに弱っている場所から菌が入りやすくなり、周囲へ散りやすくなります。
肥料、特に窒素も病気が治るまで止めます。
ここで追肥すると軟弱な新芽ばかり増え、菌にとっては都合のよい環境になるからです。
焦って枯れ部にサッチングと追肥をしたせいで、かえって被害を広げた失敗もあります。
発病部は触らない、与えない。
この順番を外さないことが再発防止の基本になるでしょう。

梅雨明け以降の回復の見通し

枯れた部分は、病勢が収まってから整えます。
目土入れで表面の凹凸をならし、水やりで乾きすぎを防ぎ、芝刈りで周囲の伸びをそろえると、ほふく茎が広がって再生しやすくなります。
被害が大きい場所は張り替えも選択肢です。
梅雨明け後は気温が上がり、暖地型芝の生育が活発になります。
発病条件の20℃前後と長雨から外れるため、病斑は落ち着きやすい。
夏の生育期に向けて管理を続ければ、回復は十分に見込めます。

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