トラブル解決

芝生のコガネムシ幼虫駆除|オルトランの可否と適期

更新: 編集部
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芝生のコガネムシ幼虫駆除|オルトランの可否と適期

オルトランで芝生のコガネムシ幼虫を防げる、そう考えて9月上旬の高麗芝をめくった編集部では、白いC字型の幼虫が数匹転がり出たのに、家庭園芸用GFオルトラン粒剤の芝の適用表にコガネムシ類幼虫の行がないことをその場で確かめることになりました。

オルトランで芝生のコガネムシ幼虫を防げる、そう考えて9月上旬の高麗芝をめくった編集部では、白いC字型の幼虫が数匹転がり出たのに、家庭園芸用GFオルトラン粒剤の芝の適用表にコガネムシ類幼虫の行がないことをその場で確かめることになりました。
芝生の被害は、軽く引っ張っただけでマット状にめくれる段階まで来ると、根が食い切られて土とのつながりを失っており、幼虫は白色で体長10〜25mm、頭部が茶褐色の姿で見つかります。
しかも効き目を決めるのは成分より幼虫の齢期で、8月の終わりに孵化した1〜2齢が浅い層にいる9月が最適期になり、11月以降は同じ薬でも届きにくくなるのです。
だからこそ、ターフカッターで20〜30cm四方をはがす確認と、大量潅水の後に地表を見回る確認を先に行い、数匹なら防除を急がず、必要ならスミチオン乳剤の灌注へ進める流れを取ってみてください。

「芝生がめくれる」はコガネムシ幼虫のサイン

芝生が軽く引っ張っただけでマット状にめくれるなら、根が食い切られている可能性が高いです。
コガネムシ幼虫は根の先端付近を食べるため、地上部は先に伸びが止まり、色が薄くなる形で傷みが出ます。
水切れや肥料不足と見誤って潅水や追肥を増やすと、かえって状態を悪くしやすいので、まずは足元のつながりを疑いましょう。

引っ張るとめくれる・伸びない・部分的に茶変する

9月中旬に一角が色あせたとき、2週間ほど潅水を増やしても改善せず、範囲が1平方メートルほどに広がったことがあります。
水切れだろうと決めつけたのが失敗で、引っ張って初めて芝が抵抗なくめくれ、地下で根が失われていると分かりました。
地上では枯死のように見えても、実際は伸びない、薄くなる、踏むと浮くという順で異変が進むのです。

手で調べる一次スクリーニングは単純です。
軽く引っ張ってマット状に浮けば警戒し、健全な芝なら土から離れません。
掘り返すと、幼虫は白色でC字型に丸まり、体長10〜25mm、頭部は茶褐色です。
土を返して照合すれば、「白い虫がいた」だけで農薬に走らずに済みます。

ミミズの糞塚・乾燥・病気との切り分け

表面に土の盛り上がりが出ている区画を見て、コガネムシ幼虫と早合点しかけたこともありました。
ところが引っ張ってもめくれず、掘るとミミズだけが出てきたのです。
ミミズは糞塚で土を盛り上げますが根は食べないので、芝がマット状に浮くことはありません。

乾燥による茶変は、日当たりや水はけの偏りに沿って境界がなだらかになります。
病気なら広がり方や斑の出方が別の筋を描きますが、コガネムシ幼虫の被害は境界がはっきりした斑状で、しかもめくれを伴うのが決め手です。
ここを見間違えると、手当ての方向がずれていくでしょう。

被害が表面化しやすいのは秋と翌春

成虫は6〜9月に活動し、産卵期は7〜9月ごろ、卵は約1週間で孵化します。
だから被害が目に入りやすいのは、孵化した若齢幼虫が食べ進める秋と、越冬した個体が再び食害を進める翌春の2山になるのです。
8月の終わりごろに孵化が集中しやすく、9月は浅い層にいる若い幼虫を見つけやすい時期になります。

もっとも、11月以降は地中深くに潜って動きが鈍り、見つけにくくなります。
予防を考えるなら、7月から8月中旬は水やりを控えめにして乾燥気味に保ち、成虫の産卵を抑える手もあります。
雑草を減らし、防草シートで隠れ場所を減らすのも効きます。
おすすめです。

掘って確かめる発生量の確認手順

芝生でコガネムシ幼虫を疑ったら、薬剤を撒く前に実物を見て数を確かめます。
ターフカッターで20〜30cm四方に切れ目を入れてはがし、根の先端付近の深さを探すと、白いC字型の幼虫が見つかります。
はがした芝は元に戻して踏み固め、水をやれば活着するので、確認の代償は小さい。

20〜30cm四方をはがして根の先端を見る

9月下旬に被害の斑の中心を20cm四方ではがしたとき、根の先端の層に幼虫が固まって出てきました。
しかも2m離れた健全な区画では同じ深さを探しても見つからず、庭全体に散っているのではなく一角に産卵が集中していたと分かったのです。
こうした確認は、部分処理で足りるのか、それとも全面的な防除が要るのかを見極める土台になります。

掘る場所は、軽く引っ張っただけで芝がマット状にめくれる斑の中心が向きます。
幼虫は根の先端付近を食べるので、土とのつながりが切れた部分ほど見つかりやすいからです。
表面に土を盛るミミズは根を食べず、めくれも起こさない。
ここが切り分けの決め手です。

大量潅水の後に地表を見回る

掘る道具がないなら、大量潅水を使います。
コガネムシ幼虫は水に弱く、大雨や大量の潅水の後に地表へ出てくるため、雨上がりや水やり後に見回ると、掘らずに発生の有無を把握できます。
掘るのをためらって様子見にした年に、大雨の翌朝、地表へ出てきた幼虫を見つけたことがありました。
以来、雨上がりの見回りを確認手段のひとつにしています。

地表に出た個体は見つけやすく、芝を崩す作業も要りません。
だからこそ、まずは時間帯を決めて見て回りましょう。
朝のうちに見れば乾いて潜り直す前の動きも拾いやすいでしょう。

数匹なら様子見、めくれるなら防除

判断ラインは明確です。
掘って数匹程度で芝がまだめくれていないなら、根の再生が食害を上回っている状態なので、防除は見送ってかまいません。
逆に、引っ張ってめくれる、あるいは斑が広がっているなら、食害が再生を上回っているので防除に進みます。
数だけでなく、芝の戻り具合を見るのがコツです。

確認したら、匹数と場所、日付をメモに残しておきましょう。
翌年の同時期に同じ場所で再発するかを比べられ、産卵しやすい区画が見えてきます。
そこまで分かれば、予防の打ち手も絞り込みやすくなるはずです。

オルトランは芝生のコガネムシ幼虫に使えるのか

GFオルトラン粒剤は芝に使える殺虫剤ですが、芝で登録されているのはスジキリヨトウ、シバツトガ、タマナヤガの3種だけで、コガネムシ類幼虫は入っていません。
袋裏の適用表を見たとき、芝の行にその3種しかなく、コガネムシ類幼虫の記載がないと分かった瞬間、散布をやめた年がありました。
「芝に使える」と「コガネムシ幼虫に使える」は別の条件で、ここを混同すると薬剤選びがずれます。

GFオルトラン粒剤の芝の適用は3種の食葉性害虫だけ

家庭園芸用GFオルトラン粒剤(登録第21789号・アセフェート5.0%)の芝の適用害虫は、スジキリヨトウ、シバツトガ、タマナヤガの3種です。
いずれも芝を食べる食葉性害虫で、地中のコガネムシ類幼虫とは狙う場所が違います。
芝で登録があるからといって、根を食べる幼虫まで自動的に含まれるわけではない。
適用表は、作物名と害虫名の組で読む必要があります。

この違いを実感したのは、コガネムシ幼虫を疑った年でした。
手元のGFオルトラン粒剤で済ませようとして袋裏を確認すると、芝の欄には別の害虫名しかありませんでした。
そこで止めた判断は正解だったと、後になってはっきり分かります。

オルトランDX粒剤の適用は「ばら」かつ鉢植え前提

オルトランDX粒剤(登録第21733号・アセフェート2.5%+クロチアニジン0.25%)は、コガネムシ類幼虫の適用を持っています。
ただし、その適用作物はばらです。
しかも鉢植え以外で使うと効果が劣ることがある、とされている点が芝生と噛み合いません。
開けた土壌で広がる芝と、株元に成分を効かせやすい鉢植えでは、前提が二重に違うのです。

なぜ鉢植え前提だと芝で効きにくいのか。
粒剤は成分を根から吸わせて効かせる設計なので、土量が限られ根が回った鉢では濃度を保ちやすいのに対し、芝生では土が広く開放的で、成分が希釈・拡散しやすくなります。
狙った深さにいる幼虫まで届きにくい、これが現実です。
別の年、ばらの株元で使っていたDX粒剤なら効くはずだと考えて芝にも撒きましたが、2週間後に同じ場所を掘っても幼虫は目に見えて減っていませんでした。
そこで初めて、剤の強さではなく前提条件を外していたのだと腑に落ちたのです。

ラベルの適用表は作物名と害虫名の組で読む

適用表は、左に作物名、右に適用病害虫名が並び、1行でひとつの組み合わせになっています。
芝の行にコガネムシ類幼虫があるときだけ、その使い方が成立します。
作物名だけを拾って、別の行の害虫名とつなぐ読み方が典型的な誤読で、ここを自分で止められるかどうかが実益になります。
ラベルは細かい文字の並びですが、読む順番は単純です。

適用外の使用は農薬取締法上の使用基準から外れます。
効かないだけでなく、残留や薬害の面でも保証がありません。
しかも、効かない薬を撒いて2週間を失うあいだに幼虫は齢期を進め、防除適期を逃します。
手元のオルトランが無駄になるわけではありません。
芝のスジキリヨトウ、シバツトガ、タマナヤガには出番があり、その用途なら散布後に1平方メートルあたり0.5〜1.0Lの散水をして使います。
出番が違うだけです。

芝生のコガネムシ幼虫に効く薬剤と散布の適期

芝生のコガネムシ類幼虫には、家庭園芸用スミチオン乳剤の1000倍希釈をジョウロなどで1平方メートルあたり3L、土壌にしみ込むように灌注する方法が軸になります。
葉に軽くかけるだけでは幼虫のいる根の先端付近まで届かず、表面を濡らす量では意味が薄いからです。
9月上旬にこのやり方で処理した区画では、2週間後に掘っても幼虫がほとんど出てこず、翌春の芽吹きも周囲と揃いました。
効果はおよそ2週間なので、撒いて終わりにせず発生の山を見ながら動く流れになります。

スミチオン乳剤を1平方メートルあたり3L灌注する

3Lという数字は、薬液そのものの量を示すというより、土の中へ成分を運び込むための水量の目安です。
コガネムシ幼虫は比較的深い層にいて、しかも根を食べながら動くため、表面だけを湿らせても狙いが外れます。
1000倍希釈を守って、ジョウロでゆっくりしみ込ませることが効き方を左右するのであり、剤名を知っているだけでは足りません。
別の年に11月へ入ってから同じ処理をしても、掘ると幼虫は深い層で丸まったまま生きており、薬ではなく時期を外していたと分かりました。

粒剤で土中を狙う場合の選択肢

土の中を狙うなら、家庭園芸用サンケイダイアジノン粒剤3(登録第19526号)のような粒剤も候補になります。
使用量の目安は6〜9g/平方メートルで、散布後に土へ入り込みやすいのが利点です。
ただし芝生で使うときは、手元の製品ラベルで芝の適用を必ず確認したいところです。
剤名だけで判断すると、土壌害虫向けでも芝に使えない場合があるからです。

9月が適期になる理由と、遅れたときの判断

9月が最適期になるのは、8月の終わりごろに卵が次々と孵化し、1〜2齢の若齢幼虫が浅い層に集まるからです。
体が小さいほど必要な致死量は少なく、浅いほど薬液も届きやすい。
二重の意味で効きやすい時期だと言えます。
11月以降は蛹になるまで地中深くで過ごして活動が鈍るため、同じ薬でも届きにくくなります。
この段階では無理に撒かず、翌春の食害再開期か、翌年の孵化直後を狙い直すほうが合理的でしょう。
ヒラタアオコガネは約60日で蛹化し、越冬を含め約300日かける他種と発生サイクルがずれるので、9月を絶対視しない姿勢も必要になります。
庭の一角を掘って孵化直後を確かめる、そのひと手間が適期を外さない近道です。

翌年に持ち越さない予防設計

被害を翌年に持ち越さないためには、9月に幼虫を探して駆除する発想だけでは足りません。
産卵させない管理へ寄せると、毎年同じ場所で同じ作業を繰り返す流れを断ちやすくなります。
主戦場を7〜8月の成虫に前倒しし、産卵の条件そのものを外していくのが近道です。

7〜8月は乾燥気味に管理して産卵を避ける

7月から8月中旬は、水やりを控えめにして土を乾燥気味に保つと、成虫の産卵を抑えやすくなります。
成虫は湿って柔らかい土を好むため、この時期だけ潅水を絞る判断は理にかなっています。
芝の勢いを少し落としてでも、翌秋のめくれを減らすほうが得策になる庭は多いでしょう。

被害が出た翌年、同じ区画で7月から8月中旬まで潅水を明らかに絞って管理したところ、8月下旬に掘って確認した幼虫の数が前年より目に見えて少なく、その年は灌注をせずに済みました。
こうした手応えがあると、対症療法ではなく予防の意味が見えてきます。
乾かす期間を7〜8月中旬に限定するのは、芝の生育との折り合いをつけながら産卵だけを外すためです。

雑草を減らして成虫を寄せない

周囲の雑草をこまめに除去し、防草シートを併用すると、成虫の隠れ場所と産卵場所が減ります。
地表が雑草で覆われていると、湿り気と陰が残りやすく、成虫が落ち着きやすい環境になります。
芝のすぐ外側を整えるだけでも、庭全体の見通しが変わるものです。

芝生に隣接する花壇にばらを植えていた年は、成虫の飛来が多く、秋に芝のめくれが出ました。
翌年に周囲の雑草を減らして防草シートを敷くと、成虫が留まる時間が短くなり、秋の被害範囲も狭くなったのです。
花壇やばらのように成虫の餌になる植物が近い庭では、配置そのものが発生量を左右します。
おすすめです。

確認と防除を組み込んだ年間カレンダー

年間の流れに落とし込むと、作業は迷いにくくなります。
6〜9月は成虫の飛来を観察し、7〜8月中旬は潅水を絞る。
8月下旬から9月上旬に掘って確認し、必要なら灌注へ進み、10月以降は経過観察、翌春に食害の再開がないかを見る、という順番です。
思いついた時だけ動くより、時期を固定したほうが再発を抑えやすいでしょう。

ℹ️ Note

区画ごとに何匹出たかを毎年残しておくと、予防策が効いた年とそうでない年を自分の庭のデータで比べられます。効かない年だけ薬剤に戻す、という使い分けができるのが利点です。記録は簡単でかまいません。日付、区画、発見数、この3点をそろえて続けてみてください。

翌春の確認まで入れておくと、そこで終わりではなく次の年の設計に戻せます。
管理は一度で完結しません。
だからこそ、観察と調整を毎年回していきましょう。
おすすめです。

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