芝生の種類

ティフトン芝の特徴と育て方|高麗芝との違い

更新: 編集部
芝生の種類

ティフトン芝の特徴と育て方|高麗芝との違い

ティフトン芝は、アメリカ・ジョージア州ティフトン市の試験場で育成された暖地型のバミューダグラス系改良品種で、葉が細く柔らかく、裸足でもチクチクしにくい芝生です。ペットや小さな子供が走り回る庭でも、踏まれても戻る力が強いので、ゴルフ場のフェアウェイやサッカー競技場で使われてきた丈夫さを家庭用に取り入れられます。

ティフトン芝は、アメリカ・ジョージア州ティフトン市の試験場で育成された暖地型のバミューダグラス系改良品種で、葉が細く柔らかく、裸足でもチクチクしにくい芝生です。
ペットや小さな子供が走り回る庭でも、踏まれても戻る力が強いので、ゴルフ場のフェアウェイやサッカー競技場で使われてきた丈夫さを家庭用に取り入れられます。
ティフトン芝のいちばんの特徴は、種が売られていないことです。
三倍体の雑種として自然に結実しないため、ポット苗やストロン苗、切り芝で増やすしかなく、高麗芝のように気軽に種をまく感覚では始められません。
ただ、その代わりに苗をそろえて植えれば約3か月で庭一面を覆うほど繁殖力が強く、夏は週1回の芝刈りが必要になるなど管理の手間ははっきりあります。
10月頃から地上部は茶色くなりますが地下部は生きていて春に再生するので、冬も緑を保ちたいならオーバーシーディングを考える流れになります。
日照5時間以上の場所で、芝刈りの回数と冬の休眠を受け入れられるなら、ティフトン芝は高麗芝以外の有力な選択肢になるでしょう。
柔らかさと回復力を優先するならおすすめです。

ティフトン芝とは|種ができない三倍体の暖地型西洋芝

ティフトン芝は、暖地型(夏芝)に分類されるバミューダグラス系の改良品種です。
気温が上がる季節に勢いよく広がり、寒さが来ると地上部が弱る性質を持つため、日本の高麗芝と同じ「夏に強く冬に枯れる」グループとして理解するとわかりやすいでしょう。
ただし、葉はより柔らかく、匍匐茎での広がりも強いため、見た目の滑らかさと被覆スピードで存在感があります。

暖地型(夏芝)に分類されるバミューダグラスの改良品種

ホームセンターで「芝生の種」を探してもティフトンの種が見つからず、戸惑う人は少なくありません。
理由は単純で、ティフトン芝は種で増やす前提の芝ではなく、苗や切り芝で広げる芝だからです。
梅雨明けにポット苗を植えると、2〜3か月で面積がぐっと埋まり、想像以上の繁殖力に驚かされます。

ティフトンはバミューダグラス系の改良品種で、暑さに強く、日差しの下で葉色が濃く出やすいのが持ち味です。
高麗芝と比べると、耐暑性は同じ土台にありながら、耐踏圧性や回復力ではティフトンが上回り、裸足で触れたときの柔らかさも目立ちます。
スポーツターフに採用されるのは、この「踏まれても戻る」性質があるからです。

種ができない理由|三倍体雑種だからポット苗・切り芝で流通する

ティフトン芝に種がないのは、育ち方の問題ではなく生物学的な理由です。
バミューダグラスとアフリカ系ギョウギシバの交雑種で、染色体が3セットの三倍体になっているため、自然には結実しません。
だから種まきはできず、流通の形もポット苗、ストロン苗、切り芝に限られます。

この仕組みを知ると、店頭で種袋が見つからない理由がすっと腑に落ちます。
種が売られていないのは不人気だからではなく、芝そのものが種子繁殖に向いていないからです。
栄養繁殖で増える芝は、親株の性質をそのまま受け継ぎやすい点も利点で、芝面を均一に作りたい家庭ではむしろ都合がよい。
管理していると、苗をまんべんなく植えた区画がきれいに閉じていくので、その強さは実感しやすいはずです。

名前の由来|ジョージア州ティフトン市で育成された経緯

ティフトンという名前は、アメリカ・ジョージア州ティフトン市の農業試験場、コースタルプレイン試験場やジョージア大学で育成された経緯に由来します。
品種名に「419」のような番号が付くのもこの系統の特徴で、1959年に発表されたティフウェイ、つまりティフトン419が代表格です。
商品ラベルの「419」は装飾ではなく、系統を見分けるための実用的な記号だと考えると理解しやすいでしょう。

ティフトンは単一品種ではなく、「ティフトン系」の総称です。
家庭の庭で一般的なのはティフトン419で、ほかにゴルフグリーン用のティフトン328(ティフグリーン)やティフドワーフ、スポーツターフ向けのティフグランドがあります。
用途が違えば求められる葉の細さや刈り込み高さも変わるため、本記事では家庭向けの419を中心に見ていきましょう。

ティフトン芝の特徴|柔らかさ・耐踏圧性・繁殖力

ティフトン芝は、見た目の美しさと踏んでも戻る強さを両立しやすい暖地型の芝です。
葉が細く柔らかいため素足でもチクチクしにくく、高麗芝より葉色が濃く光沢もあるので、庭に敷くと一面が締まって見えます。
しかも繁殖力が旺盛で、苗をまんべんなく植えれば約3か月で庭全体を覆うほどに広がるため、空き地を早く緑に変えたい場面と相性がいいでしょう。

葉が柔らかく裸足で痛くない|ペット・子供の遊び場向き

高麗芝の庭では裸足だと足裏が痛かったのに、ティフトンに張り替えた途端、子供が一日中そのまま走り回るようになった、という変化は珍しくありません。
理由はシンプルで、ティフトンは葉幅が細く、触れたときの硬さが少ないからです。
芝の上で寝転ぶ、犬と遊ぶ、庭を行き来する、そうした日常の動作で差が出ます。

見た目の印象も軽くはありません。
高麗芝に比べて葉に光沢があり、色も濃く鮮やかなので、単に「やわらかい芝」ではなく、手入れした庭らしい締まりが出ます。
裸足の子供やペットが使う場所では、踏み心地と景観の両方が満足度を左右するのです。

踏圧・擦り切れに強い|回復力の高さがスポーツターフ採用の理由

ティフトン芝は、踏圧や擦り切れからの回復力が強い点で評価されます。
繰り返し踏まれてもすぐに再生しやすいため、ゴルフ場のフェアウェイやサッカー・ラグビーなどの競技場で採用されてきました。
家庭でも、子供の運動スペースやドッグランのように負荷が集中する場所で、この強さが頼りになります。

実際、犬が走り回って一部が擦り切れても、春から初夏にかけての勢いがある時期なら2〜3週間でまた緑が戻る感覚があります。
傷んだ部分を抱えたまま長く見せる芝ではなく、使われることを前提に育つ芝だと考えるとわかりやすいでしょう。

繁殖力が旺盛で被覆が早い|約3か月で一面の芝生に

苗をまんべんなく植えると、ティフトン芝は約3か月で庭全体を覆うほど旺盛に匍匐茎を伸ばします。
空きスペースを早く緑にしたい人には大きな利点で、初期の見栄えを短期間で整えやすいのが魅力です。
地面が見える時間が短いぶん、庭の印象が一気に変わります。

ただし、この早さは諸刃の剣でもあります。
広がる力が強いぶん、花壇や通路へはみ出しやすく、管理では際刈りや境界づくりが欠かせません。
暑さと乾燥に強く、夏の水やりも比較的少なめで持ちこたえるので、日本の高温多湿な夏にはなじみやすい芝です。
ただ、後のセクションで触れる寒さの弱さまで含めて見ると、長所がより立体的に見えてきます。

ティフトン芝と高麗芝の違い|どちらを選ぶべきか

ティフトン芝と高麗芝は、どちらも夏に強い暖地型ですが、選び分けの軸は耐寒性と管理の手間にあります。
比較早見表は、品種名、耐暑性、耐寒性、耐踏圧性、葉の柔らかさ、芝刈り頻度(管理の手間)、流通形態、向いている人の8列で並べると違いが見えやすいでしょう。
子供の遊び場として半年ほど迷った末にティフトンを選んだときも、決め手になったのは「踏まれる強さ」と「葉のやわらかさ」でした。

比較早見表|耐暑性・耐寒性・耐踏圧性・柔らかさ・手間

品種名耐暑性耐寒性耐踏圧性葉の柔らかさ芝刈り頻度(管理の手間)流通形態向いている人
ティフトン芝強いかなり弱い高い柔らかい高めポット苗・切り芝遊び場や運動用途で、手をかけても丈夫さを優先したい人
高麗芝強いやや弱い十分高いほどよい低め切り芝中心、品種によっては種も入手可観賞中心で、手間を抑えて整えたい人

耐暑性は両者ともほぼ同等で、真夏の暑さに強い点は共通です。
差が出るのは冬で、高麗芝も寒さに強い芝ではないものの、ティフトンはそれ以上に寒さに弱く、冬枯れが早く長く残ります。
知人宅の高麗芝と自宅のティフトンを見比べると、その差ははっきりしていて、冬の庭を長く緑っぽく保ちたいなら高麗芝が無難だと実感しました。
寒冷地ほど、その判断はぶれにくいはずです。

遊び場・スポーツ用途ならティフトン、観賞・低管理なら高麗芝

踏まれる強さと葉のやわらかさでは、ティフトンが一歩上です。
走る、寝転ぶ、頻繁に出入りする、といった使い方では回復力の高さが効いてきますし、葉が柔らかいぶん肌当たりもやさしいので、子供の遊び場には向いていました。
ただし、その繁殖力の高さは芝刈り頻度にも直結します。
伸びが早いので管理の手間は増えますが、そこを許容できるなら見返りは大きいです。

高麗芝は、成長が穏やかで芝面をきれいに保ちやすいのが持ち味です。
踏圧への強さも十分あり、日常の庭で使うには必要以上に困りません。
むしろ、芝刈りを少なくして観賞性を保ちたい人には扱いやすい芝で、実際に知人宅では刈り込みの回数が少なくても見栄えが崩れにくい印象でした。
手をかけても柔らかく丈夫な芝が欲しいか、手間少なく整えたいかで選ぶと迷いにくいでしょう。
おすすめです。

ℹ️ Note

迷いやすいのは「強い芝」同士の比較でも、実際には何を優先するかで答えが変わる点です。遊ぶ芝か、眺める芝かで考えると整理しやすいでしょう。

流通と入手|種なしのティフトンと種・切り芝両対応の高麗芝

流通の差も、選択にそのまま響きます。
ティフトンは種がなく、ポット苗か切り芝で入れるしかありません。
初期の手間や費用は読みやすい反面、面積が広いと植え付けの準備が必要になります。
高麗芝は切り芝が主流ですが、品種によっては種でも入手できるため、導入のしやすさでは一枚上です。

植え付けの手軽さを重視するなら高麗芝、密度の高い芝面を作りたいならティフトン、という整理がしっくりきます。
自宅ではティフトンを選んだあと、芝刈りの回数と冬の色の抜け方を何度も見てきましたが、知人宅の高麗芝はその点がかなり落ち着いていました。
入手性、初期費用、植え付けの進めやすさまで含めて比べると、どちらがおすすめかは用途で自然に分かれてきます。
もう少し日常管理を軽くしたいなら高麗芝、遊びやスポーツの実用性を優先するならティフトンを選んでみてください。

ティフトン芝の植え付け|時期と植え方

ティフトン芝は暖地型なので、植え付けの勝負どころは6月中旬〜下旬です。
地温が十分に上がり、梅雨の水分と夏の高温をそのまま活かせる時期だからこそ、根が動き出して被覆も早くなります。
ゴールデンウィークに焦って植えたときは根付きが鈍く、翌年6月に植え直したら一気に活着したことがあり、時期を外さない意味を実感しました。

植え付け適期は6月|暖地型なので初夏が勝負

春先や秋は、見た目には植えやすそうでも地温が足りず、苗が地面に乗っただけの状態で止まりやすいです。
ティフトンは暖地型の芝で、根を深く張る前に乾きやすさや低温の影響を受けると、立ち上がりが遅れます。
6月中旬〜下旬に植えると、その後の伸びが素直で、被覆までの流れがきれいにつながるでしょう。
時期選びが、そのまま成功率を決めます。

ポット苗の間隔と植え方|まんべんなく配置して被覆を促す

ポット苗は庭全体にまんべんなく、一定間隔で置いていきます。
間隔が狭いほど苗同士が早くつながり、広ければそのぶん空き地の期間が長くなるので、最初の配置が仕上がり速度を左右するのです。
植え付け後はたっぷり水をやり、そこから約3か月で苗と苗の間が埋まり、一面の芝生らしい景色になっていきます。
実際、間を詰めて植えた区画は被覆が速く、見栄えの差がはっきり出ました。

場所選び|日照5時間以上・水はけの良い日なたが必須

ティフトンは日照を強く求める芝で、日照5時間以上の日なたが目安です。
日陰では伸びが鈍くなり、家庭向けの419はとくに薄くまばらになりやすいので、植える前に庭の日当たりを細かく見ておきたいところです。
日照4時間ほどの北側スペースに植えた場所では、日なたの区画と比べて密度が上がらず、芝面の均一感が出ませんでした。
雑草を抜き、水はけの良い土に整えることも欠かせません。
粘土質で水が溜まる場所は、土を改良するか別の品種を考えるほうが育ちやすいです。

ティフトン芝の手入れ|芝刈り・水やり・肥料

ティフトン芝は繁殖力が旺盛で、放っておくと伸び方が早いぶん管理の手間も増えます。
6〜9月は週1回、3〜5月と10〜11月は月2〜3回を目安に刈り込み、夏の勢いをそのまま見た目の乱れにしないことが肝心です。
梅雨明けに1週間芝刈りをサボっただけで一気に伸び、軸刈りになって回復に数週間かかったことがあり、こまめな手入れが美観維持の前提だと痛感しました。

芝刈り|夏は週1回、生育期は刈り込みを欠かさない

ティフトン芝の芝刈りは、6〜9月の生育最盛期に週1回、3〜5月と10〜11月は月2〜3回が目安になります。
伸びる力が強いので、刈る間隔を空けるほど葉先だけでなく茎の近くまで切り込みやすくなり、軸刈りの失敗につながりやすいからです。
柔らかく密な芝を保つには、見た目の整えよりも先に、伸び方を定期的に抑える発想が必要でしょう。
刈り高も軽視できません。
リール式でもロータリー式でも、一度に全体の1/3程度を超えて刈らないようにすると、株への負担が小さくなり、芝面のムラも出にくくなります。
背丈を急に詰めるより、少しずつ整えるほうが結果的に早く仕上がるのです。
芝刈り機の種類より、刈り込みのリズムと高さ管理が効いてきます。

水やり|週2〜3回が基本、真夏は毎日・真冬は不要

水やりは週2〜3回を基本にしつつ、地面が乾きやすい夏の最盛期はできるだけ毎日に寄せると安定します。
ティフトン芝は耐乾性が高いので、少し間隔が空いたからといってすぐに傷むわけではありません。
夏の旅行で1週間ほど水やりができず、部分的に黄ばんだことがありましたが、帰宅後に水を戻すと回復しました。
とはいえ、乾きにくいのに毎日与え続ける必要はありません。
むしろ過湿は病気を呼びやすく、葉の密度が高いぶん空気もこもりやすくなります。
真冬は休眠するので水やりは不要です。
乾いたら与える、湿っている日は待つ、この切り替えがちょうどいい。
季節ごとの水分量を見極めるだけで、無駄な手間はかなり減らせます。

肥料|生育期に施し、繁殖力を活かす

肥料は春〜秋の生育期に施すのが基本です。
繁殖力と回復力が強い芝だからこそ、窒素を中心とした肥料を生育の波に合わせて入れると、葉色と密度が乗りやすくなります。
伸びる力のある芝は、栄養が切れると色落ちや回復の遅れが目立ちやすいので、芝刈りと水やりだけでなく施肥も管理の一部として考えたいところです。
ただし、肥料を増やせば増やすほど良くなるわけではありません。
入れすぎると徒長しやすくなり、病気の土台もできてしまいます。
製品ごとの規定量を守り、芝が動く時期に合わせて無理なく補うのが安全です。
生育期に押さえておけば、芝面の密度が上がり、刈ったあとの見栄えも締まってきます。
おすすめです。

冬枯れとオーバーシーディング|一年中緑にする方法

ティフトンは暖地型の芝なので、気温が下がる10月頃から地上部が弱り始め、冬には緑が消えて茶色に見えます。
見た目は枯れたようでも、地下部の根や匍匐茎は生きていて、春に気温が上がるとまた芽吹きます。
冬に庭が一面茶色になったときは焦りましたが、翌春にきれいに戻ってきて、あれは休眠だったのだと実感しました。

冬も緑を保ちたいなら、休眠前の秋にペレニアルライグラスを重ねるオーバーシーディングが有効です。
夏芝のティフトンが休むあいだ、冬芝を主役にして色をつなぐ考え方で、うまく回ると一年中緑の芝生に近づきます。
もっとも、冬芝を入れれば終わりではなく、春には夏芝へ役を戻す移行まで見通しておく必要があります。

冬に枯れるのは休眠|地下部は生きていて春に再生する

ティフトンの冬枯れは、病気で一気に死ぬ現象ではありません。
気温が下がる10月頃から地上部が鈍り、冬には葉の緑が抜けて茶色が目立ちますが、地面の下では根と匍匐茎が残って春を待っています。
だから、冬の見た目だけで失敗と判断しなくてよいのです。
安心してよい理由はそこにあります。

実際、冬の間に芝面を何度見ても茶色一色で心配になりますが、春に地温が上がると、眠っていた部分から新芽が動き出します。
枯らしたのではないかと焦った経験ほど、再生したときの安堵は大きいものです。
冬枯れを正しく理解しておくと、無駄に手を入れすぎずに済みますし、秋以降の管理方針もぶれません。

オーバーシーディングの手順|9〜10月に冬芝の種を播く

冬も緑を残したいなら、9月中旬〜10月上旬にペレニアルライグラスを播くのが基本です。
時期が遅れると冬芝が育つ前に寒さが来てしまい、早すぎると夏芝の勢いが残りすぎて競合しやすくなります。
播種前には芝刈りで夏芝を低くそろえ、サッチを取り除いて種が地面に届く状態をつくりましょう。
発芽まではこまめに水やりをして、乾かさないことが肝心です。

手順を外すと、発芽がまばらになりやすい。
種がサッチの上に残れば土に触れず、せっかく播いても揃いません。
だから、刈る、取る、播く、潤す、という順番がそのまま成果を分けます。
10月にペレニアルライグラスをオーバーシードした年は冬の景色がぐっと明るくなり、茶色の芝面に悩まされずに済みました。

春のトランジション|夏芝への切り替えを成功させるコツ

春は冬芝から夏芝へ主役を戻すトランジションの時期です。
ここで冬芝が残りすぎると、ティフトンの再生が遅れ、夏の立ち上がりが鈍くなります。
ティフトンは生長力が強く冬芝に負けにくいので切り替えに向きますが、芝刈りで冬芝を弱らせ、夏芝に光と場所を返す管理が要ります。
手間は増えますが、そのぶん一年を通した見栄えは整います。

この移行は簡単ではありません。
冬芝を長く残したくなる気持ちはありますが、そこで切り替えを遅らせると夏芝の回復が後手に回ります。
高さを詰める刈り込みを続け、冬芝の勢いを落としながらティフトンの再生を待つ、という流れです。
実際に春の切り替えで冬芝を残しすぎて夏芝の戻りが遅れた年があり、冬の緑を取る代わりに管理の手間が増えると痛感しました。
が、楽ではありません。

ティフトン芝のトラブルと注意点|病気・はみ出し

ティフトン芝は、病気と境界管理でつまずきやすい芝です。
特にラージパッチ(葉腐病)やカーブラリア葉枯病が出やすく、秋の管理を外すと翌春まで引きずりやすいのが厄介でしょう。
さらに、匍匐茎の伸びが旺盛なため、花壇や通路、隣地へはみ出しやすく、日照不足では薄くまばらになって雑草も入り込みます。

かかりやすい病気|ラージパッチ・葉枯病と予防散布の時期

ティフトンで目立つのは、ラージパッチ(葉腐病)とカーブラリア葉枯病です。
とくにラージパッチは、秋に気温15℃を割る日が続き、そこへ降雨が重なった頃に出やすく、円形に枯れた部分がそのまま冬の休眠へ入ることがあります。
秋の予防散布が効くのはこのためで、いったん広がる前に殺菌剤で先回りする発想が要になります。
秋に一部が円形に抜けた芝を見て、翌年から予防散布を始めたら再発しなくなった、という流れはまさにティフトンらしい対応だといえるでしょう。

病気は「出てから直す」より「出る前に抑える」ほうが現実的です。
とくにラージパッチは、発生後に回復を待つ時間が長く、芝の密度が落ちるほど見た目も管理負担も悪化します。
だからこそ、秋の冷え込みと雨を合図に散布時期を組むのがポイントです。

はみ出し・雑草化対策|根止めと際刈りで境界を管理

ティフトンは繁殖力が強く、匍匐茎が花壇や通路、隣地へどんどんはみ出します。
放置すると、望まない場所まで芝が侵入して境界がぼやけ、手入れのたびに「どこまでが芝か」を切り分ける作業が増えてしまいます。
根止めを入れずに植えた結果、2年で隣の花壇まで入り込んでしまい、際刈りと根止めの設置に追われた、という失敗談は珍しくありません。
最初に仕切りを入れておけば、後の手間はずっと軽くなるはずです。

制御の基本は、植え付け時の根止めと、境界を崩さない際刈りです。
根止めは樹脂やブロックの仕切りで地下茎の伸び先を区切り、際刈りは外周の芝を削ってラインを保ちます。
伸びる力を否定するのではなく、出口を決めておくのがコツですね。
こまめに整えれば、見た目も締まり、管理もしやすくなります。

日照不足のトラブル|日陰で薄くなる症状と対処

日照が5時間未満の場所では、ティフトンは薄くまばらになりやすく、地面が見えるほど密度が落ちます。
すると露出した土に雑草が入り、風通しも悪くなって病気の足場まで増えるのです。
肥料や水やりを足しても、日陰そのものが原因なら根本解決にはなりません。
場所を変えるか、別の芝へ切り替える判断が必要になるでしょう。

ティフトンは、日なたでよく刈り込み、秋に病気を抑え、外周をきちんと管理できる人に向く芝です。
日照、芝刈り、秋の予防、境界管理を受け入れられるならが、そこまで手をかけたくないなら高麗芝など他の選択肢もあります。
自分の庭で何を優先するか、そこで見極めてみてください。

シェア

関連記事

芝生の種類

日本芝は高麗芝や姫高麗芝、野芝に代表される暖地型の芝で、高温多湿の日本の夏に強い代わりに、冬は休眠して茶色くなります。西洋芝はケンタッキーブルーグラスやトールフェスク、ベントグラスなどを含む総称で、冬も緑を保てる反面、関東以西では夏越しに苦しみやすい芝だ。

芝生の種類

トールフェスクは、イネ科ウシノケグサ属の寒地型多年草でありながら、その寒地型の中では最も耐暑性と耐乾性に優れる西洋芝です。北海道から九州・沖縄まで使われる適応域の広さも持ち、暑さに強い西洋芝を探してたどり着く初心者が多いのも納得できるでしょう。

芝生の種類

ペレニアルライグラスは、イネ科の寒地型西洋芝として知られる多年草で、種まきからおよそ1週間で発芽がそろう初期生育の速さが最大の持ち味です。発芽適温は摂氏15〜25度ほどで、秋にまいて一斉に芽がそろったときの「冬芝は本当に速い」という驚きは、

芝生の種類

セントオーガスチングラス(Stenotaphrum secundatum)は、関東以西の西南暖地で広く使われる暖地型芝で、芝草の中でも葉幅が最も広く、やわらかな触感とクッション性を備えた品種です。