植え方・施工

ロール芝の張り方|下地から活着までの手順

更新: 編集部
植え方・施工

ロール芝の張り方|下地から活着までの手順

ロール芝の張り方は、整地と転圧、水勾配づくりで仕上がりの大半が決まる作業です。10㎡の庭をベタ張りでDIYしたときも、芝を並べる半日より、石拾いと下地づくりに丸1日かかりました。

ロール芝の張り方は、整地と転圧、水勾配づくりで仕上がりの大半が決まる作業です。
10㎡の庭をベタ張りでDIYしたときも、芝を並べる半日より、石拾いと下地づくりに丸1日かかりました。
高麗芝やティフトンの適期は3〜6月で、家庭向けロール芝は1ロール約0.5㎡ですから、必要枚数を先に見積もって、ベタ張り・目地張り・市松張りのどれを選ぶかを決めておきましょう。
張った後の3〜4週間は毎日の散水と「踏まないこと」が活着を左右します。

ロール芝とは|マット芝・切り芝との違いとサイズ規格

ロール芝は、薄い土付きの芝を長いマット状に育てて巻いたもので、広い面を一気に張れるのが切り芝との大きな違いです。
30cm角前後のマット芝と比べると継ぎ目が少なく、見た目のつながりが早く出るので、仕上がりを急ぎたい庭ほど向いています。
下地が整っていれば、張った直後から面で景色が変わるのが魅力でしょう。

ロール芝・マット芝・切り芝の形状の違い

ロール芝は幅30〜40cm前後の長尺マットを巻いた形状で、施工業者向けのビッグロールは最大2m×10m規格まであります。
これに対して切り芝は30cm角前後の小さな板状で、1枚ずつ並べていくため作業の自由度はあるものの、継ぎ目の数が増えやすい。
広い庭を短時間で緑化したいならロール芝、狭い場所や曲線が多い場所なら切り芝、という使い分けが自然です。
継ぎ目が少ないほど乾燥のムラも出にくく、初期の景観もそろいやすくなります。

1ロール何㎡?通販と業者向けのサイズ規格

家庭向け高麗芝マットは1ロール約0.5㎡、2ロールで約1㎡が通販の標準単位です。
以前、10㎡の庭に張るつもりで注文したとき、1ロール0.5㎡単位だと気づいた瞬間に20ロール必要だとわかり、追加注文で少し慌てました。
面積の感覚だけで進めると足りなくなるので、必要枚数は庭面積と規格の両方から詰めるほうがずっと確実です。
業者向けのビッグロールは最大2m×10mまであり、広い現場では搬入回数と施工時間を大きく減らせます。

暖地型と寒地型で違う張る時期(3〜6月が基本)

暖地型の高麗芝やティフトンは、根が動き出す3〜6月が張り適期で、北日本では4月以降が目安になります。
寒地型のケンタッキーブルーグラスなどは春と秋が向くため、芝の系統で時期を分けて考えるのが筋です。
真夏の7月に張った友人の芝は活着せず、そのまま枯らしてしまいましたが、あれは気温だけでなく根の動きが鈍い時期を選んだことが響いたのでしょう。
適期に合わせれば、張った後の水管理も読みやすくなります。

張る前の準備|面積から必要枚数を計算し道具を揃える

ロール芝は、張る作業そのものよりも下地づくりで仕上がりがほぼ決まります。
必要枚数を面積から先に出し、道具と目土を一度でそろえておくと、当日の中断が起きません。
芝を半乾きのまま放置しないためにも、張り方の違いと準備量を最初に固めておくのが近道です。

庭の面積×張り方で必要枚数を計算する

必要枚数は、庭の面積÷1ロールの面積×張り方係数で出します。
家庭向け高麗芝マットは1ロール約0.5㎡、つまり2ロールで約1㎡です。
ベタ張りなら庭面積そのままを見込み、端の切り落としロスを考えて1割増しで買うのが安全でしょう。
目地張りは約7割、市松張りは約5割で足ります。
張り方で使う枚数が大きく変わるので、ここを先に決めるだけで購入量がぶれなくなるのです。

張り方の違いは、見た目だけではありません。
ベタ張りは最速で隙間なく仕上がりますが、材料も最も多く必要になります。
目地張りは2〜5cmの間隔を目土で埋める中間工法で、継ぎ目をレンガ状にずらすと沈下が目立ちにくい。
市松張りは最も経済的ですが、完成までの時間はかかるでしょう。
作業日数と予算の両方を見て、庭に合う方式を選ぶのが失敗しない流れです。

最低限そろえる道具リスト

最低限そろえる道具は、トンボ(均し板)、レーキ、角スコップ、転圧用の板かローラー、芝を切る包丁か鎌、散水ホースです。
なかでもトンボで表面の平らさを出し、転圧で床土を締める工程が仕上がりを左右します。
ここが甘いと、芝を張ったあとに段差や浮きが出やすい。
道具がそろっていれば、整地から張り込み、散水までの流れが途切れずに進みます。

実際、レンタルのローラーを使わず板で転圧したことがありますが、全面を均一に締めるのにかなり手間がかかりました。
板は押せる範囲が狭く、少しでも力が偏ると沈み方に差が出ます。
だからこそ、広い面積ではローラーか、少なくとも踏圧を均一化しやすい道具を用意したほうがいい。
芝を切る包丁や鎌も、端部をきれいに合わせるには欠かせない道具です。

床土・目土に使う砂の準備量

目土(目砂)は、1㎡あたり厚さ1cmで約10L、乾燥砂なら約15kgを目安に多めに用意します。
目土は張った芝のすき間を埋め、葉の根元を安定させ、仕上げの凹凸をならす役割があります。
量が足りないと目地が埋まらず、活着が遅れる。
だから、床土の補修分も見込んで少し余裕を持たせるのが正解です。

目土を少なく見積もって、途中でホームセンターへ買い足しに走ったことがあります。
その間、張った芝を半日ほど放置してしまい、乾きかけた部分の扱いに気を使いました。
こうしたロスは、最初に面積から逆算していれば避けられます。
道具も砂も不足なくそろえ、晴天が続く時期に2日確保して進める段取りにしておくと、作業の中断が起きにくいでしょう。

STEP1 下地づくり|整地・床土・水勾配で仕上がりの7割が決まる

芝張りの仕上がりは、下地でほぼ決まります。
表面が少しでも波打っていたり、水の逃げ道が甘かったりすると、後から段差や水たまりが残りやすいからです。
最初にやるべきなのは、見た目を整えることではなく、根が伸びる土台そのものをまっすぐに整えることだと考えるとよいでしょう。

雑草・石の除去と表層20cmの耕うん

最初に石、ゴミ、雑草の根を徹底して取り除きます。
表面だけを拾っても、根が土の中に残れば後から芝の隙間を押しのけるように雑草が出てきます。
表層約20cmを耕しながら根こそぎ抜くのは、その再発を防ぐためです。
土を浅くなぞるだけでは不十分で、芝の下に残る異物がそのまま不陸や生育不良の火種になります。

耕した土には砂や堆肥などの土壌改良材を均一に混ぜ込み、水はけと保水のバランスを整えます。
粘土質の庭では特にこのひと手間が効きます。
砂を混ぜずに張った年は、雨のあとに水が引かず一部が根腐れしました。
翌年にいったんめくって砂を混ぜ直したところ、土が軽くなって根の回り方が変わったのをはっきり実感しました。
土が重いままだと、芝は根を広げる前に息苦しくなるのです。

トンボで平らに整地し緩い水勾配をつける

凹凸をなくす作業では、トンボとレーキを使って平らに整地し、水はけ方向へ緩い勾配をつけます。
目安は1%前後で、ほんのわずかな傾きですが、表面排水にはこれで十分です。
水たまりができる場所は根腐れと病気の出発点になりやすく、あとから直すと芝をめくる手間が増えます。
だからこそ、見た目の平らさと排水の逃げ道を同時に作る必要があります。

水糸と長い板で勾配を確認しながら整地したときは、張った後の水たまりがゼロでした。
平らにするだけでは足りず、どちらへ水を逃がすかを先に決めておくと、仕上がりが安定します。
長い板を当ててわずかな傾きまで見るやり方は地味ですが、芝生ではこれが効く。
勾配づくりのコツは、あとで盛るより先に削ることです。

床土を締める軽い転圧

整地が済んだら、床土はいったん軽く転圧して締めてから芝を張ります。
ここを飛ばすと、見た目はきれいでも後から土が沈み、段差や隙間が出やすくなります。
踏み固めすぎる必要はありませんが、ふわふわのままでは芝の下に空隙が残り、水も均一に回りません。
芝が根を張る前の最初の受け皿を、安定した密度にしておく発想です。

下地は地味ですが、全工程で最も時間と丁寧さを要します。
張り方が上手でも、床土が甘ければ結果は崩れます。
平らさと排水を最優先に仕上げておけば、あとからの補修が減り、芝の立ち上がりも安定するでしょう。
手を抜かず、ここで土台を固めておきましょう。

STEP2 ロール芝を張る|ベタ張り・目地張り・市松張りの選び方と手順

ロール芝は、枚数と仕上がり速度で選ぶと迷いません。
ベタ張りは100%敷き詰めるぶん材料が最も多く要りますが、完成が最速で、狭い庭やドッグランのように早く使い始めたい場所に向きます。
市松張りは約50%の枚数で済み、材料費を抑えやすい反面、全面が緑になるまで1シーズンかかった庭もありました。
待ち時間を短くしたいならベタ張り、予算優先なら市松張り、両方の中間を取りたいなら目地張りが軸になるでしょう。

ベタ張り・目地張り・市松張りを枚数とコストで比較

張り方枚数の目安完成速度コスト感向く庭
ベタ張り100%最速最高狭い庭、ドッグラン
目地張り70%前後中間中間広めの庭、費用を抑えたい場合
市松張り約50%最も遅い最低予算を最優先したい場合

目地張りは切り芝を2〜5cm間隔で並べ、すき間を目土で埋める中間的な工法です。
芝同士を密着させる張り方より材料は減らせますが、空いた部分を目土で支えるぶん、最初から見た目をそろえやすいのが利点です。
広めの庭で費用を抑えたいときには扱いやすく、仕上がりと予算のバランスを取りやすい方法だと言えます。

端から馬目地でずらして並べる張り方の手順

庭のまっすぐな辺を基準に、ロール芝を端から順に伸ばしていきます。
継ぎ目を一直線にそろえると、沈下したあとに目地が筋のように浮き出やすいからです。
実際、継ぎ目を直線にそろえて張った庭は、あとから筋状のラインが目立ちました。
そこで次はレンガ状、つまり馬目地にずらして並べたところ、沈下後の段差や隙間がかなり気にならなくなりました。
理由はシンプル。
継ぎ目が分散されるので、荷重が一点に集まりにくいのです。

端や障害物のまわりは、余ったロール芝を包丁や鎌で切って形を合わせます。
切る前に大きめに当ててから少しずつ削ると、角の処理が早いです。
芝同士はできるだけ突き合わせ、浮きがあれば手で押さえて密着させながら進めましょう。

余ったロール芝を包丁・鎌で切って端を合わせる

角や曲線の部分は、最初からぴったり合わせようとすると手数が増えます。
まずは少し長めに置き、余りを包丁か鎌で切り落として端をそろえるほうが、形を崩しにくいです。
切り口が見える部分でも、芝目に沿って整えれば目立ちません。
張り方は広さ、予算、どれだけ早く完成させたいかの3点で決めると整理しやすく、迷いが減ります。
比較表で一つに絞ってから作業に入ると、途中で張り方を変える手間もなくなります。

STEP3 目土と転圧|隙間を埋めて土に密着させる仕上げ

目土は、張り終えた芝の上と目地にまいて、ほうきや手で葉が軽く隠れる程度までしっかりすり込みます。
枯れ落ちた古葉が見えなくなるくらいが目安で、ここまで入れておくと隙間の乾燥を抑えやすく、床土とのなじみもよくなります。
薄くしか入れずに済ませたときは、目地が埋まらずにすき間から雑草が出てきたことがありました。
あの失敗以来、葉が隠れる量まで入れる流れを外さないようにしています。

目地と表面に目土をすり込む量の目安

目土は見た目を整えるためだけではありません。
隙間を埋めて乾燥を防ぎ、芝の根が床土に触れやすい状態をつくり、さらに表面の細かな段差をならす役割も担います。
だからこそ、上にうっすら乗せるだけでは足りず、芝葉の間に入り込むところまで動かす必要があります。
ほうきで払うより、手で軽く押しながら広げたほうが、目地の奥まで入りやすいでしょう。

板・ローラーで均一に転圧して密着させる

目土を入れたら、板や専用ローラーで全体を均一に転圧します。
芝の根と床土を密着させる工程で、ここを省くと浮きが残り、活着が遅れやすくなります。
転圧はただ踏めばよいのではなく、面で圧をかけるのがコツです。
板を全面に当てて踏むか、ローラーを縦と横の直交方向に2回かけると、圧が散らばらずムラが出にくくなります。
ローラーを一方向だけにかけたときは筋状の凹凸が残りましたが、直交2回に変えるだけで見た目も触感も落ち着きました。

転圧後の凹凸チェックと手直し

転圧のあとに手で押してみると、浮いている箇所や沈む箇所がすぐわかります。
沈みがある場所は、そのままにせず芝をめくって床土を足し、もう一度転圧してならします。
手間は増えますが、この確認を入れるだけで翌月の仕上がりが変わるのです。
表面がなめらかでも、下が空いていれば後で沈み込みます。
逆に、最初に丁寧に直しておけば、歩いたときの感触も安定していきます。
点検は短くても抜かないほうがいい。
仕上げの差は、そこで決まります。

STEP4 張った後30日の養生|散水頻度と踏まない管理で活着させる

張った芝は、根が床土に食い込んで定着するまでの約3〜4週間が勝負です。
この間は表面だけが乾くだけでも傷みやすく、散水を止めると端から茶色くなっていきます。
逆にここを越えれば管理はぐっと楽になるため、最初の1か月をどう乗り切るかで仕上がりが決まるでしょう。

活着まで3〜4週間は毎日たっぷり散水

張った直後から約1か月は、毎日欠かさず水を入れます。
夏場は朝夕2回に分け、床土の下までしみ込む量を与えるのが基本で、表面が湿って見える程度では足りません。
梅雨明けに張った芝を1日1回だけで済ませたとき、端が茶色く枯れたことがありましたが、朝夕2回に増やすと持ち直しました。
水やりは「濡らす」ではなく「届かせる」作業だと考えると、加減を間違えにくくなります。

養生期間は踏まない・荷重をかけない

養生中は、できるだけ芝の上に乗らないことが基本です。
踏圧がかかると根が浮き、目地がずれて、せっかく張った芝が地面に密着しにくくなるからです。
子どもが芝の上で遊んだあとにずれた部分だけ活着が遅れた失敗もあり、以後は立ち入りを先に決めてしまうようにしました。
子どもやペットの動線を外し、ホースや作業道具も芝面に置かない。
これだけで傷み方はかなり変わります。

ℹ️ Note

養生中は「少しなら大丈夫」を積み重ねないことです。1回の踏み込みは小さくても、目地のずれや浮きはその場で起きます。

活着後の初回芝刈りと通常管理への移行

しっかり活着したかは、芝を軽く引いて抜けないかで見分けます。
目安の1か月を過ぎて根が安定したら初回の芝刈りを行い、その後は通常の水やり、芝刈り、施肥のサイクルへ移ります。
ここで急に刈り込まず、最初は浅めに整えるほうが無理がありません。
活着前と活着後で管理の重心が変わるので、毎日の散水から日常の維持管理へ、きっちり切り替えましょう。

よくある失敗と対処|隙間・段差・枯れを防ぐ

芝張りで起きやすい失敗は、下地の凹凸、目地の開き、そして養生中の水切れです。
どれも張った直後には小さく見えても、数日で段差や隙間、茶色い変色として表に出ます。
早い段階で原因を見分けて手を打てば、張り替えまで進まずに立て直せます。

段差・沈下が出たときの手直し

段差や沈下の主因は、下地の整地不足と転圧不足です。
芝を張った翌週に一部だけ沈んで水たまりになったことがあり、そこでいったん芝をめくり、砂を足して再転圧したところ、周囲と高さがそろって平らに戻りました。
見た目だけを追って上から土を足すより、芝の下の床土を整え直すほうが再発しにくいのです。
予防も同じで、張る前に下地を丁寧に整え、床土を事前に転圧しておきましょう。

目地の隙間と端のめくれへの対処

目地の隙間が広がって見えるときは、目土の追いまきで埋めるのが基本です。
活着後は周囲の芝がランナー(地下茎)を伸ばして自然に隙間を塞ぐため、最初から完璧に詰め切る必要はありません。
端や隅の芝がめくれるのは密着不足と踏圧が重なって起きやすく、手で押さえ直して目土で固定し、養生期間はその部分を特に踏まないようにします。
雑草の再発は下地で根を取り切れていないのが原因なので、見つけたら早めに手で抜いておくと広がりにくくなります。

枯れ・変色は水切れを最初に疑う

葉が茶色く枯れて見えるとき、原因の多くは水切れです。
養生期間は散水を1日2回に増やし、表面だけでなく床土の下まで湿らせるつもりで水を入れます。
枯れたと思った芝でも、水やりを増やしたら新芽が出て復活した例があり、そこで張り替えを急がず散水を見直す判断が効きました。
日照不足や病気の可能性もありますが、まずは水が足りているかを確認するのが先です。
うまく湿らせているかを見るには、朝と夕方の管理をそろえてみてください。

シェア

関連記事

植え方・施工

芝生を植える適期は、春か秋かという暦だけでは決まりません。高麗芝、TM9、野芝のような暖地型は平均気温15度を超えて上向く春が張りどきで、地温が24〜29度に乗るころには根の動きもはっきりしてきます。

植え方・施工

芝生をきれいに仕上げるかどうかは、芝そのものより張る直前の地面づくりで決まります。整地・水勾配・転圧という下地工程を外すと、見た目の芝面が早い段階でデコボコになり、水たまりや根腐れまで招くからです。

植え方・施工

人工芝DIYは、土の庭・コンクリート・ベランダで敷き方が分かれるが、どの設置場所でも成否を分けるのは敷く前の下地づくりです。編集部でも実際に庭へDIYで人工芝を敷いたところ、整地を省いた部分だけ数か月後にへこみ、水たまりができました。

植え方・施工

人工芝と天然芝の施工は、見た目や費用だけで比べると判断を誤りやすい。編集部で高麗芝の手入れを続ける一方、施工現場で人工芝の下地処理を補助してきた経験でも、仕上がりを決めるのはいつも下地だった。